フェアトレードの基本情報について
フェアトレードとは、直訳すれば「公正な取引」です。
コーヒーやバナナなど国外から輸入している食品はたくさんあり、日本でも他の食品と同じ値段で購入することができますよね。
その農作物を作っている人たちは、どの程度の対価を得ているのでしょうか?
生産者に対して正当な対価が支払われていなかったり、過度な農薬使用で環境が汚染されているなど、先進国と途上国との貿易で問題視されている課題は少なくありません。
一定品質の商品を継続的に作り続けるためには、生産者には正当な賃金を支払い、環境への負担に配慮した生産体制の構築が必要です。
このような先進国と途上国との貿易に関する問題意識から生まれた考え方が、フェアトレードなのです。
フェアトレードでは、相対的に立場の弱い現地の生産者の権利を守り、公平・公正な貿易を目指しています。
取り組みの一つとして「認証ラベル制度」があり、フェアトレードの基準を満たす原料については認証ラベルが貼り付けています。
フェアトレードの基準は社会・経済・環境の三つの観点から構成されており、生産者とトレーダーは順守が求められます。
さらに認証を受けた後も、フェアトレードの基準が維持されているかの監査を定期的に受けなければなりません。
対象商品はコーヒーを中心にカカオ、コットン、バナナ、スパイスなどがあり、その種類は少しずつ拡大中です。
国連サミットでSDGsが採択されたことも、フェアトレードをより注目させることとなりました。
持続可能な開発目標を達成するためにも、フェアトレードは重視されつつあります。
フェアトレードとビジネスの関係性が強まりつつある
フェアトレードの認定を受けている商品は、持続可能な方法で生産・流通していると評価できます。
フェアトレード認定の有無は、SDGsの達成に力を入れる個人や企業の商品選定に強い影響を与えています。
現在でも積極的に取り入れている企業は少なくありません。
例えば大手のコーヒーメーカーの中には、積極的にフェアトレードのコーヒー豆を取り扱っており、間接的にコーヒーの生産者と消費者双方を支援している企業があります。
併設するレストランで提供するコーヒー、チョコレート、ワインなどにフェアトレードの基準を満たしたものを採用しているホテルもあります。
食品の小売市場でもフェアトレードの考えが広がっているのです。
ある企業では、自社内で販売するコーヒーやチョコレートの原料を持続可能性のあるものに変更する目標を掲げています。
持続可能性を裏付ける指標してフェアトレードに認定を挙げ、その達成に取り組んでいます。
以上のように、フェアトレードを取り入れるのはビジネスとして当たり前、という時代になりつつあります。
新たなビジネスを始める際は、自分の仕事がどのようにフェアトレードと結びついているのか考えてみませんか?