アップサイクルとはなにか?
アップサイクルは、廃棄されるものをより価値のあるものに作り直すことを指します。
たとえば、着なくなった衣服をおしゃれなバッグに作り変えたりすることなどがこれに当たります。
一方、元のものよりも価値が下がる加工をすることはダウンサイクルと呼ばれます。
服の生地を雑巾として使用する場合などはダウンサイクルになります。
アップサイクルについて最初に語ったのは、レイナー・ピルツ氏と言われています。
近年、自然環境に対する懸念やSDGsの提唱などにより、アップサイクルが改めて注目されるようになっています。
アップサイクルに似た言葉でリサイクルというのがありますが、これは廃棄するものを再生資源に分解してから作り直すものなので、アップサイクルとは異なります。
リユースは不要なものをそのまま他者に譲ったり売ったりすることなので、価値を高めて生まれ変わらせるアップサイクルとは異なるものです。
アップサイクルを活用したビジネス
アップサイクルは、ファッション業界、飲食業界などビジネス界でも積極的に取り入れられています。
アーバンリサーチでは2018年からアップサイクルによるcommpost(コンポスト)というブランドを展開しています。
commpostは、共有や良識などの意味があるcommon (sense)と、標柱などの意味があるpostを組み合わせた言葉です。
製品の制作に当たっては大阪・箕面の NPO 法人と協力して、障がいを抱えているなどで就労が困難な方々や地域住民の方々と協働しています。
同社では色の異なる廃棄衣料を色ごとに分別し、シートを成型して製品に変え販売しています。
製品の中には、植栽の鉢カバーやランドリーバッグなど様々な用途で使用できる撥水性のあるバッグやiPhoneケース、表紙を捨てずに中紙を交換できるリフィルノートブック、トートバッグなどがあります。
commpostはアップサイクルへの取り組みが評価され、2021年度のグッドデザイン賞も受賞しています。
アサヒグループのアサヒユウアス株式会社では、「ECOALF(エコアルフ)」というヨーロッパのファッションブランドとコラボし、「UPCYCLE B」プロジェクト第一弾としてラフトビール「蔵前BLACK」を直営店で限定販売しています。
コラボしている「ECOALF(エコアルフ)」はリサイクル素材などで作った衣服を取り扱っており、製品の中にはコーヒーのかすから作ったジャケットなどもあります。
「蔵前BLACK」は、これまでは廃棄されていたコーヒー豆を有効利用して作ったもので、ビールとコーヒーの相性を確かめながら、東京の台東区や墨田区の事業者と協力して完成させました。
「蔵前BLACK」は税込700円ですが、「UPCYCLE B 森のタンブラー」とセットで購入した場合は税込1,880円です。